事例

Il Sentieroインターナショナルキャンパス、Materialise Magics で過去を現代に蘇らせる

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イタリアのVicenza近郊の小さな町Schioで、アンティーク建築物についての引用文献が古代の書物より発見され、TEMARTプロジェクトの候補としてこの古書が選ばれました。古代の言語で書かれた古書を21世紀に蘇らせ、その建築物を見に来るすべての人と内容を共有するにはどうすればよいのでしょうか。

課題

過去を現在に生かす

500年以上も前に書かれた古書の引用文献を発見した人の気持ちは想像しにくいと思います。しかし、Schioの町の歴史的図書館の中心で発見された小さな歴史の一片、それを今ここで、多くの人々に見てもらいたいという思いは共感できるのではないでしょうか。

そのため、このケースが TEMART project(POR-FESR イタリアVeneto州の助成を受けている)の候補となったことは自然なことです。このプロジェクトでは、 アディティブ・マニュファクチャリング使って、視覚障がい者の五感を取り入れた芸術的複製品の制作に取り組むことになりました。

チームは建物自体のディスプレイとしてこの本を再現することにしました。しかしそれは簡単なことではありませんでした。古書は古語で書かれていて、大部分が読みにくく、建物に関係する記載は、大きな古書の中のわずかな部分しかありませんでした。

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Il Sentieroチームにとって情報源は限られていた

そこで、 Ecor International and the Il Sentiero インターナショナルキャンパス に相談したところ、3Dプリントで再現するというアイディアにたどり着きました。ラピッドプロトタイピング(RP)のためのアディティブ・マニュファクチャリング分野における彼らの経験は非常に貴重であり、地元に拠点を置く彼らは、このプロジェクトを実現するには完璧なポジションに立っていたのです。

しかし、原本の再現には多くの課題が存在しました。テキストを複製するためには画像しかなく、複製したものを古代の書物に直接貼り付けることは不可能でした。古く、折れ曲がったページと粗い表面により、3Dモデルにはいくつかのオーバーハングがあり、サポートなしでは造形が失敗してしまう可能性がありました(そのサポート除去は非常に困難でした)。

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原本をベースにしたモデルでは、あまりにも複雑であることが判明

特に点字と原文のスクリプトにおいて、テキストへの適用が最初の課題となりました。幸いなことに、Materialise Magicsはその課題に十二分に応えてくれました。

代わりに、チームはテキスト自体に焦点を当て、よりシンプルな本のモデルに適用し、訪れるすべての人が触れることができるようにしました。現代イタリア語と点字に翻訳し、視覚障がい者にも触れることで、楽しんでもらえるようにしたのです。

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A3サイズにすることで、作業や造形を簡易化(左)。 チームはMaterialise Magics のラベリングツールを使用して、さまざまなテキストを配置(右)。

ソリューション

3DプリントとMaterialise Magicsの融合

Il Sentieroのチームは、3Dプリントの経歴と経験から、Materialise Magicsはこの仕事に最も適した技術であることをすぐに理解しました。彼らは、 Materialise Magics 25.1を搭載したSisma MYSINT300プリンタを選択し、新しい本の材料としてAISI316L(ステンレス鋼)を選びました。

最初の課題は、テキストそのもの、特に点字やオリジナルのスクリプトを適用することでした。幸い、Materialise Magicsはそのタスク以上のことを可能にしました。チームは、 ラベルツールを使用して、原文の.dxfファイルとその2つの翻訳を、図面とテキストタブを通して適用し、素晴らしい結果を得られました。

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すべての訪問者がこのテキストに触れられるように考えられた

デザインの準備が整ったところで、いよいよ3Dプリントをしていきます。SLM(レーザ粉末焼結積層造形)技術を使って造形していくため、ハニカム構造による軽量化が必要です。 ハニカムツールを使うことで、構造を維持したまま空洞を作ることができるだけでなく、造形後の粉末除去も簡単になります。

最後のステップとして、Magicsのカット&パンチツール を使って本の各セクションを生成し、Sisma MYSINT300の造形ボリュームに収まるようにデザインしました。

結果

古代のテキストと現代語訳

Ecorインターナショナル、Il Sentiero、そしてTEMARTプロジェクトは大きな成功を収めました。溶接され、表面が磨かれた最終品は、特に、イタリア語の現代語訳と点字訳の両方が適用されたことで、彼らの高い期待を上回るものとなりました。この事例をきっかけに、今後3Dプリントを通じて古代の文書が再現されるかどうかは分かりませんが、古いものと新しいものの素晴らしいコラボレーションになることには間違いありません。

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来場者が楽しみ、大成功を収めたプロジェクト

それ以上に重要なのは、この本によって、小さな歴史の一片がより多くの人々につなぐことができ、その名前を持つ建物そのものがより身近に感じられるようになったことです。


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ケーススタディーの要約

業種

Additive manufacturing

使用しているソリューション
なぜこの方法なのか

Replicate, translate, and print an ancient text into a 3D-printed book that all visitors can enjoy

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