ケーススタディ

日産自動車に聞く Materialise Magics と Sinter モジュールで 3Dプリント現場がこんなに変わった!

日産自動車、新車生産準備技術センターでは新車種の形状確認や 実験用モデル作成に粉末焼結3Dプリンタが活用されています。 今回3Dプリント用データ準備ソフト Materialise Magicsと粉末焼結 3Dプリンタ用Sinterモジュールの導入で、日産自動車の3Dプリント 現場がどのように変化したのか伺いました。

課題

全体的な3Dプリント造形工程の効率化

解決方法

手動でのデータ準備作業から、自動データ準備へシフト

結果

データ準備時間が1カ月から数秒に

 
Nissan staff at the New Vehicle Production Preparation Technology Center using SinterStationHiQ

日産自動車 新車生産準備技術センターの皆様 SinterStationHiQを使用

3Dプリント後の後加工も考慮された機能でデータ準備の工数を削減

日産様: 3Dプリントできるサイズには限界があるため、部品によっては分割をする必要があります。以前はCAD上で部品を分割する 際、大物ですと約3日の工数がかかっていました。

"Materialise Magicsの分割機能を使うと指定した位置で簡単に分割できるので工数を半分以下に削減できます(図①、②)。 分割と同 時に自動的に位置決めのピンを作成してくれる機能もあるため、造形後の組み立て時に位置合わせがしやすく、 現場では重宝していま す。また粉末焼結機を使用すると造形中の高熱で部品が反ってしまうリスクがありますが、それを防止するための支柱もMagics なら簡 単に作成できます(図③)。 また支柱と部品との接触部分を細くできるため支柱が取り外しやすく、 後処理も楽になりました。

Fig. 1: Splitting function

図① 分割機能

カット面に位置決 めのピンを自動 作成(セットピン 用も可)。

Fig. 2: Splitting function

図② 分割機能

分割時、嵌めあいも 作成可能。

Fig. 3: Support creation function

図③ 支柱作成機能

支持したい2点をクリ ックするだけで、変形 防止の為の支柱作成 が可能。

CAD上で1ヵ月かかった手作業での編集を自動化

日産様: 車全体の縮小モデルを3Dプリントする際は、データを縮小した分だけ部品の壁厚も薄くなるため、結果的にプリント出来な いデータになってしまうことがあります。その場合、以前はCAD上で約1ヵ月かけて造形可能なデータになるよう設計変更を行う必要が ありました。

その際、CAD上で 2万点とも言われる車のデータの中から壁厚が薄い部分を自力で見つけては厚みを増やします。 一体の3Dプリント品 を作りたい部分は、元々の設計上正しい部品間の隙間もわざと接触するよう設計変更する必要があり、大変苦労していました。

Materialise Magicsのラッピング機能を使用し始めてから、データ上の自動エラー修正、任意の数値での厚みづけ、データの一体化の 全てがワンクリックで可能になったため、今までの手作業に比べて圧倒的に工数が削減されました (図④)。また、壁厚検証機能を使え ば部品の厚みが可視化されるので3Dプリント不可の薄肉部の見落とし防止になります。(図⑤)

さらに、任意のエリアを選択後、その範囲の厚みを簡単に設計変更できる為、よく使用しています。(図⑥)

Fig. 4: Wrapping function

図④ ラッピング機能

データ修復と厚み付けを同時に自動処理

Fig. 5: Wall thickness analysis using gradation

図⑤ グラデーションによる壁厚検証

壁厚検証機能を使えば部品の厚みが 可視化され、3Dプリント不可の薄肉 部の見落とし防止に

Fig. 6: Support creation function

図⑥ 任意の箇所の厚みを変更

任意のエリアを選択後(緑部分)

粉末焼結3Dプリンタ用3D自動配置モジュール活用で、数十時間の工数短縮に成功

BEFORE: 手作業によるデータ準備の繰り返しで、多くの工数がかかっていた

Nissan Employee during work

日産様:  粉末焼結3Dプリントの稼働効率化に最も重要なのは、なるべく多くの部品 を一度に造形できるような配置を行うこと、そして部品配置後の高さを抑えることで す。そうすることで、材料消費量も造形時間も抑えられ、稼働率の最適化が図れます。

Sinterモジュールを導入する前は、3Dプリンタ付属のソフトウェアで出来るだけ高さを 抑えながら、部品同士が接触しないよう手動で部品を配置していました(手順①、②)。 その後同じプリンタ付属のソフトで干渉している部品がないかチェックさせます。手動 の部品配置だけでも工数がかかりますが、この干渉チェックの計算には数時間かかる こともありました(手順③)。

その場合プリント開始が遅れるだけでなく、計算がいつ終了するのか不明なので造形スケジュールが立てられず、大変苦労していまし た。干渉があった場合は、再度手作業で配置しなおしてからもう一度干渉チェックを行う必要があり、時間、工数共に課題でした。

Step 1. Manual part placement

手順①

プリンタ付属のソフトで手作業による部品配置

Step 2. Interference prevent

手順②

干渉を防ぐため、部品間に隙間があり、配置が最適ではない

Step 3. Overlapping check

手順 ③

プリンタ付属のソフトで部品の干渉チェック(数十分~数時間)
※干渉時は手順①に戻る

Step 4. 3D Printing

手順④

3Dプリント開始

AFTER: Sinter モジュールが最適な配置をサポート、プロセス全体の効率化を実現

それに比べてSinterモジュールは設定した部品同士の間隔を確保しながら高さを抑えるよう自動配置してくれるため、今までのように 何時間もかけて干渉をチェックし、再度手作業で配置しなおす必要がなくなりました。また今まではプリント領域に配置しきれず複数回 に分けてプリントしていたものも、現在はSinterモジュールがうまく隙間に配置してくれるので、一度のプリントで済むようになりました。 一度にプリントできる量を増やせるということは、データ準備、プリント時間、冷却時間等にかかる何十時間もの人とプリンタの占有時 間を短縮でき、さらに無駄になってしまう材料も削減できます。結果、3Dプリントの工程全体の効率化を図ることができました。

Step 1. Automatic parts placement

手順①

MagicsのSinterモジュールが部品をかしこく自動配置

Step 2. 3D Printing

手順②

すぐに3Dプリント開始が可能!

このような事も可能です

Protective box for small parts

小さく壊れやすい部品を保護するボックス

Placement optimization options that account for heat dispersion

熱の分散を考慮した配置最適化オプション

Sinterモジュールの更なる機能と
実際の造形現場での活用方法とは?


SinterモジュールのユーザーであるParker Hannifin社 Victor Lopez氏が、
魅力と実際の使用事例をWebinarにてご紹介します。

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