触覚的に認識できること、電子カルテに統合できること、画面を使わずに患者と向き合って話ができること。「3D Printing in Medicine Course」で、病院が院内に3Dプリンティング設備を持つようになってきている理由について、議論されました。2019年6月13日と14日にベルギーのルーベンにあるMミュージアムで開催されたこのイベントには、病院で医用画像データの解剖モデル化に携わる臨床医、医用画像の専門家、エンジニア、その他の専門家が一堂に会し、この分野をさらに発展させるための学びや知見、事例を共有しました。
イベントの基調講演者である米国のMayoクリニックのDr. Jonathan Morrisによると、私たちは大きな進歩を遂げたが、まだやるべきことが多いと言います。昨年だけでも、Mayoクリニックでは3Dプリントされた解剖学的モデルを3,000体以上作成し、12年前に同病院で最初のモデルをプリントしたMorris医師の夢が実現した形です。
触覚的に認識
Mayoクリニックの解剖モデリングラボのディレクターとして、また神経放射線科医として、Dr. Morrisは患者固有のモデルを3Dプリントすることによる多くのメリットを実感してきました。外科医は手術室に入る前にモデルを手に取り、より綿密に手順を考えることができるので、モデルがあることで精神的負担が少なくなることを、その目で見てきました。
今では経験豊富な外科医であっても3Dプリントモデルの作成を依頼します。それによって、他の方法では不可能な洞察を得ることができます。さらに、外科的準備に関して言えば、医師はインプラント留置の準備を事前にシミュレーションできるため、ORの時間が1分辺り100ドルを超える場合でも、貴重な時間と費用を節約することができます。
彼はまた、モデルが医師と患者の間のより直接的なコミュニケーションを可能にすることも評価しています。医療におけるデジタル技術の増加に伴い、医師と患者はコンピューターの画面を見ながら診断と治療計画を検討するようになっています。モデルがあれば、双方がよりインタラクティブに議論することができ、患者がさらに深い洞察を得ることができるため、より多くのインフォームドコンセントにつながると考えています。
アレン曲線
Dr. Morrisは、外注ではなく院内でプリントすることによって得られた大きなメリットの一つは、3Dモデルによって恩恵を受ける専門分野の量が増え、最終的にはより多くの患者の治療改善につながることだと言います。これは、技術者間の距離が遠くなるにつれて、コミュニケーションの頻度が指数関数的に低下するというアレン曲線理論にも当てはまるとDr. Morrisは考えています。コミュニケーションやモデルの使用が増えるため、3Dラボと外科医の距離の近さは非常に重要だと言います。
ポイント・オブ・ケア(院内)3Dプリンティングの他の利点についても、Dr. Morrisや他の発表者によって、1日を通して議論されました。その一つは、病院に3Dラボを設置することで、この情報を電子カルテと統合できることです。
臨床医が実現したいと考えている開発分野はまだあります。イベントでは、CPTコードが最近AMAによって承認され、CMSにも近い将来3Dプリントの料金を支払う請求コードが含まれるとの話がありました。
また、この日の議論から得られた大きな収穫の一つは、病院にラボを統合するためには、組織のサイロ構造を克服し、真に学際的な方法で仕事をしたいと考えている人を巻き込む準備ができている必要があるということです。3Dラボをセットアップするために、Dr. Morrisによって与えられた2つのヒントは、楽観的であり、他の人の知識や経験から学ぶことです。
動画で3D Printing in Medicine Courseのハイライトを見る:
Point-of-Care(院内)3Dプリンティングの詳細については、お問い合わせください。
「私たちは臨床の必要性に基づいて、院内に3Dプリント設備を設置しました。運よく風通しの良い組織であったため、この3Dプリントラボを拡大することができました。私たちは外科医が問題を抱えてきて、3Dプリンティングを使ってその場で問題解決する環境を整えました。これが私たちが成長した理由であり、臨床上のニーズによって組織はさらに拡大し続けています。」
– Dr. Jonathan Morris, Mayo Clinic
※上記は海外における3Dプリンティングの活用事例です.
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