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インタビュー

Materialise Magicsのユーザー紹介:Parker Hannifin社

4 分で読めます

Materialiseは Magicsユーザーのソフトウェアの活用状況を知る上で、ユーザーの皆様との接点を大切にしています。このブログでは、Parker Hannifin社のアディティブ・マニュファクチャリング(AM)チャンピオン、リードAMエンジニアのVictor Lopez氏にインタビューし、同社の生産性がMagicsによりどのように向上したのか、また、3Dプリントによって業界がどのように発展すると予想されているかについて伺いました。

Parker Hannifin 社は、モーションコントロール技術分野においてFortuneグローバルリーダー250社に選ばれています。同社は100年以上にわたり、様々な産業および航空宇宙市場において、より良い明日につながるエンジニアリングのブレークスルーを可能にしてきました。近年では、AMを補完的な製造技術として活用することで、製品のラインナップ展開をしています。詳しくはLopez氏との対談をご覧ください。

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Parker Hannifin社のリード・アディティブ・マニュファクチャリング・エンジニア、Victor Lopez氏

アディティブ・マニュファクチャリングによる生産性は、これまでどのように進化してきたのでしょうか。

2017年にParker Hannifin社に入社した当初、私は早々にAMに没頭していきました。最初の目標は、アディティブ・マニュファクチャリングがビジネス的に意味のあるものなのかということを調査することでした。私たちは、それがどのぐらい役に立つのかに着目し、すぐさま3Dプリントを始めることになりました。

2年後、私は新しく設立された、先進製造学習開発センター(AMLDC)のオープニングエンジニアに就任しました。AMLDCではパウダーの選択から、ビルドジョブの設定、パーツの出荷といった、あらゆることを担当しました。当初は非常に小さなチームでしたが、4〜5カ月ほどかけて成長し、メンバーを増やしていきました。

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Parker Hannifin社のアディティブ・マニュファクチャリング・マシン

Materialiseとそのソリューションについて、何で知りましたか?

私がMaterialise Magicsに出会ったのは、AMLDCに入社したときでした。私たちのセンターで使用した最初のマシンに、このMaterialiseのソフトウェアが含まれていたのです。私はすぐに、Magicsがもたらす有用性、そしてそれが何年も続くことを認識しました。

Materialiseが業界のパイオニアであることは、Magicsを操作すれば一目瞭然です。創業から何年経っても、Materialiseは3Dプリントソフトのイノベーターであり続けています。Magicsはユーザーエクスペリエンスの観点からも扱いやすいソフトウェアで、新人もトレーニングをすることで、すぐに使いこなせるようになります。さらに、Materialiseのテクニカルサポートとカスタマーリレーションチームはとても充実しています。

どのような点が3Dプリントする上で体ユーザー体験の向上につながりましたか?

Magicsのモジュールを追加し、ワークフローを最適化することは、生産性が向上することにつながりました。例えば、 Sinter Module は私たちにとって画期的なものでした。

私たちは通常、1回のビルドで40から50のパーツを造形する必要があります。Sinter Moduleを導入する前は、これらのビルドの準備にMagicsで約半日、つまり週に約1日分のパーツ配置(造形パーツをプラットフォーム内に3次元的に配置する作業)の作業時間が必要でした。今ではSinter Moduleのおかげで、パーツ配置作業には、1週間にわずか2時間しかかかりません。スタートボタンを押してからコーヒーを飲みに行き、戻ってくる頃には99%のビルドが準備できた状態になっているということは素晴らしいことです。その時間を、マシンの運転や品質向上のためのプロセスの微調整など、他の作業に割くことができるのです。

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Parker Hannifi社が造形したパーツの一例

さらに、Sinter Moduleでは、正確な方向性が必要なパーツを手動で配置することができます。これは、私たちにとって非常に重要な機能です。テトリスの様に手作業でパーツ調整をし、残りはソフトウェアで、自動配置します。

また、境界ボックスのパーツ配置と「形状」を用いたパーツ配置を選択できる点も大きな魅力です。境界ボックスのパーツ配置は、かさばるパーツを素早く配置するのに最適な機能です。一度コツをつかめば、このソフトでの作業はごく当たり前にこなせるようになります。私たちのワークフローにとても合っています。

Parker Hannifin社では、AMが今後どのように活用が進むとお考えですか?

Parker Hannifin社では、たくさんのパーツを製造しています。3Dプリントは、フライス加工や射出成形といった従来の製造方法を補完する技術として使用されています。自社の中では新しいツールの扱いです。製品開発や他の製造技術の習得のスピードアップ、これまで実現できなかった製品への機能追加など、3Dプリントの技術は私たちにとって非常に有益なものとなっています。また、生産ラインにおいても、重要な役割を担っていると考えています。AMによって、デザイナーはこれまでとは違う発想で、今まで不可能と思われていた製品をデザインすることができるようになりました。

3Dプリントと他の製造方法の良いところを組み合わせて、最高品質の製品を効率的にお客様に提供していきたいです。

業界全体として、3Dプリント業界に次に期待することは何でしょうか?

この3Dプリントの業界には多くのプレーヤーがいて、たくさんソリューションがありますが、イノベーションの頂点を極めるには、全員が同じ言語で話していることが必要です。プレーヤー同士の隔たりをなくし、壁を低くすることにより、どんなことを達成できるかを見てみたいです。

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Parker Hannifi社が造形したパーツの一例

サプライチェーンを更に加速させることで、製造業のランドスケープに変化を与えることができるかもしれません。その可能性を垣間見たのは、パンデミックの時でした。3Dプリントは、サプライチェーンのギャップを埋めるために世界が必要としていた迅速かつ柔軟なソリューションでした。Parker Hannifin社は、衛生的な働き方を実現する道具のために、3Dプリントを利用して、他の方法では間に合わなかったツールを造形しました。その結果、パンデミックの際も生産を継続、需要にタイムリーに対応することができました。3Dプリントは、不安定な時代に安定性をもたらしてくれたのです。

ものづくりをよりサステナブルにするために、AMは役割を果たせるとお考えですか?

はい、もちろんです。私たちは、材料をよりスマートに使用することを意識しています。現在、3Dプリントから出る廃棄物の約95%が埋立地へ運ばれないところまで来ています。リサイクル業者と密接に連携し、廃棄物に第二の人生を与えているのです。


さらに、Sinter Moduleにより、造形時のサステナビリティがより高まりました。パーツ配置を最適化することで、より多くのパーツをより少ないビルド数で収めることができるようになりました。Sinter Moduleを使うことで、ビルドを加熱し、余分なビルドを生成するためのエネルギーを使わなくて済むということです。私たちは、よりサステナブルな方法で生産を行うために、より効率的にビルドジョブとサポート構造を生成しているのです。


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