CASE STUDY

3Dプリンタ製アルミドローン、 Materialise e-Stageの利用でサポート除去時間を半分に

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プラスチックと金属素材の3Dプリントを手掛ける「volum-e」は、フランス、ノルマンディ地方のサービスビューロ。フランス最大級の3Dプリント施設を持ち、さまざまな業界向けにプロトタイプと最終製品を3Dプリントしています。

大手サービスビューロである彼らは今回、新たに発表された Materialise e-Stage for Metal の金属サポート自動生成機能を用いてアルミ製のドローンを3Dプリント。サポート設計時間を80%、サポート除去時間を50%短縮することに成功しました。

サポート設計時間を80%、サポート除去時間を50%短縮

さまざまな要素を考慮しなくてはならない金属3Dプリント時のサポート付けは、時間がかかるだけでなく専門的なノウハウも要求される工程。造形コストと造形時間の節約のためにはなるべく少量のサポートで造形するのが望ましいものの、圧力を分散し反りを防ぐためには、必ずサポートが必要な箇所ももちろん存在します。またサポートがパーツのどの部分に付いているかも造形の成功、サポートの取り外しやすさにも大きく影響するため、慎重に判断する必要があります。

もともと光造形用に開発されたMaterialise e-Stageは、サポートが必要な箇所の判断、サポートの生成をともに自動で行うソフトウェア。そのサポート自動生成機能がチタン、メタル、ステンレススチールの三種類の金属素材にも適用できるようになり、金属3Dプリント用のサポート自動生成ソフトとしても使えるようになりました。

Materialise e-Stage金属3Dプリント用サポート生成機能のベータテストに参加したフランスのサービスビューロ volum-eでは、以前と比べてチタン、アルミパーツのサポート設計時間の80%短縮に成功。自動生成されるサポート構造は非常に細くパーツとの接触点も少ないため、造形後のサポート除去にかかる時間も依然と比べ約半分になりました。

volum-eの3Dプリント事業部マネージャー、クレモント・バレーさんは、ベータテストの結果に関して次のように語っています。「Materialise e-Stageで自動生成したサポート付きのパーツは、これまで通りのサポートを付けて造形した場合と同じ、高い品質に仕上がりました。大きな違いは、サポートの設計と取り外しにかかる時間が大幅に少なくなったことです」

大きな違いは、サポートの設計と取り外しにかかる時間が大幅に少なくなったことです

— volum-eのAMマネージャー、ClémentBarret

造形後、余分な金属粉をほぼ100%除去できることの2つのメリット

作業の自動化、スピード、品質、コスト削減はどれも3Dプリント事業を運営する上で重要な要素ですが、事業に関わる「人」の存在ももちろん忘れることはできません。

金属3Dプリントにおいては特に、マシン操作を担当するスタッフの労働衛生・安全・環境(HSE: Health, Safety and Environment)マネジメントは重要な課題です。造形後、サポート除去の際にサポート内部に挟まった金属粉が空中に舞えば、それが作業を担当する従業員の肺に入り込んでしまうリスクがあるためです。

Materialise e-Stageで自動生成できる金属サポートは、ダイヤ状に絡む細い線で構成された、隙間の多い設計。このオープンな構造のおかげで、サポート内部に入り込んだ金属粉の除去がほぼ100%可能になります。

この改善点は二つのメリットをもたらします。ひとつは高価な金属粉を無駄にしないのでコスト削減につながること。もうひとつは、作業場に舞う金属粉をなくして従業員の健康を守れることです。

volum-eのクレモントさんは従業員の安全性に関して次のように語ってくれました。「われわれの3Dプリント現場では、従業員の安全は重要な課題です。Materialise e-Stageを使い始めてからサポート内に詰まった余分な金属粉が仕上げ作業中に空中に舞うことがほぼないので、労働環境が大きく改善されたと感じています。

私たちのサービスビューロでは1993年からマテリアライズのソフトウェアを使い続けていますが、今も彼らと一緒に仕事ができることに満足しています。マテリアライズが私たちの日々の業務を改善してくれるソフトウェアの開発を続けてくれることは非常に嬉しいですね」

Materialise e-Stageを使い始めてからサポート内に詰まった余分な金属粉が仕上げ作業中に空中に舞うことがほぼないので、労働環境が大きく改善されたと感じています

— volum-eのAMマネージャー、バレット氏

25㎝の大型ドローンをアルミで3Dプリント

今回Betaテストに参加したvolum-eは、Materialise e-Stageの金属3Dプリント用サポート生成機能の試験にドローンのパーツを使用。寸法250 x 250 x 80 mmのドローンのSTLデータはマテリアライズのマシン通信ソフト「EOS Build Processor 」を使ってスライスされたあと、3Dプリンタ「EOS M290」で造形されました。

今回のドローンのように大きめの金属パーツを3Dプリントする場合、造形後にサポートを取り除くにはかなりの時間がかかります。今回はMaterialise e-Stageを用いたことで、サポート除去にかかる時間が通常と比べて2時間短縮されました。

前述のクレモントさんは「このように大きいパーツをアルミで3Dプリントするのに、Materialise e-Stageのサポートだけを使うのは正直少し不安でした」といいます。「でも造形後のパーツを見て感心しました。思い通りの造形ができていて、パーツの品質もとても良いものに仕上がっていました」

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造形前にMaterialise e-Stageでサポートを付けた状態のドローン。Fouad Latrachによるデザイン。

造形後のパーツを見て感心しました。思い通りの造形ができていて、パーツの品質もとても良いものに仕上がっていました

— volum-eのAMマネージャー、バレット氏

完成した3Dプリンタ製ドローンはこちら!


画像提供:volum-e


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上記CASE STUDYについて

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ソリューション

Materialise e-Stage for Metal

Automated support generation software Materialise e-Stage

アプローチ

Consume less metal powder for supports as well as generating and removing them faster

Automation, open grid, thin connections

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