「SIGNでは、マテリアライズから寄付されたMimics Innovation Suite を使って、2002年からコンピュータ上でのインプラントの開発と強度計算を行っています。マテリアライズのWilfried Vancraen最高経営責任者は、イラクの激しい紛争で負傷した人々を支援するため、SIGNへの寄付と協力を申し出ました。SIGNでは、現在でも新しいインプラントの設計や既存設計の技術革新に関連して、マテリアライズから支援を受けています。マテリアライズの技術提供には、深く感謝しています」
– Lewis Zirkle, 氏(SIGNフラクチャー・ケア・インターナショナル会長、創設者)

世界各地では、主に貧しい労働者の間で、事故などによる脚の骨折が治療できずに障害が残り、本人と家族が長く苦しい窮乏生活に陥ることが珍しくありません。世界の人口の半数以上は1日2ドル以下で生活していますが、家族の一員が障害を負って働けなくなった家庭では、貧困がさらに進んで孫の世代にまで影響が及びます。こうした不幸な事例を防ぐため、SIGNフラクチャー・ケア・インターナショナルでは、開発途上国の負傷者に対する整形外科治療に的を絞り、支援を提供しています。具体的には、現地の外科医と共同して専門的なトレーニングやインプラントを開発することで、貧しい人たちに対して効果的な整形外科手術を提供する取り組みを支援しています。SIGNの支援によって開発途上国の外科医はより多くの患者を治療し、治療期間も短縮できるようになります。その結果、患者は仕事に復帰して、再び家族を支えることができます。マテリアライズは、新しいインプラントの設計と既存のインプラントへの新技術の導入を可能にするソフトウェアの寄付を通して、SIGNに協力していることを誇りに感じています。

貧しい労働者に医療を提供

SIGNのインプラントは、開発途上国の患者の骨折治療に役立てられるよう、現地の医療事情を考慮して設計されています。SIGNのシステムは、先進国の骨折治療に使われる標準的なソリューション(髄内釘をスクリューで固定して使用する方法)に近いものですが、Cアームや電力設備のない施設でも利用できるように設計されています。SIGNの支援を受ける現地の医師は、Cアームを使う代わりに、触診の実習と並行して骨の内部の状態をビジュアル教材で学習するトレーニングを受け、治療スキルと実績の向上を目指します。SIGNでは、マテリアライズのMimicsイノベーションスイートを、標準品の随内釘とスクリューの設計と、骨の内部の状況に対する理解促進のために利用しています。
 

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革新的なインプラント設計がもたらす希望

SIGNでは、治療する骨(例: 脛骨、大腿骨、上腕骨など)の画像をMimics Innovation Suite でセグメント処理し、随内腔の内側からインプラント(随内釘)を固定する方法を研究しています。例えば、SIGNでは曲線状ではなく直線状の随内釘を使用していますが、これは、Mimicsを使った検討の結果、現在市販されている曲線状の釘よりも、SIGN独自の直線状の釘を3点固定する方法が優れていると判断したためです。またSIGNでは、従来から大腿骨の治療に独自の安定化フィン付きの随内釘を使用してきましたが、これを頸骨に応用するため、Mimicsを使って脛骨の髄腔を詳しく調べました。その結果、脛骨にフィン付きの随内釘を使用する方法について、多くの知見が得られました。フィン付き随内釘は、フィンが連結用スクリューの代わりになるという大きなメリットがあります。

SIGNでは、すでに優秀な実績のあるフィン付き随内釘のコンセプトを使い、小児用の大腿骨随内釘も開発しました。ここでは、子どもの大腿骨の寸法測定が重要な意味を持ちます。SIGNはMimicsを使ってこの測定を実施し、その結果に基づいてシャフトとフィンのサイズに関する重要な決定を下すとともに、随内釘の挙動について理解を深めました。現在は、医師が選べる選択肢を増やすため、この随内釘のシャフトの寸法を大きくする設計が進められています。
 

骨折治療の発展に寄与する技術革新

開発途上国では、負傷事故による身体的かつ社会的な損失が拡大し、SIGNの医師研修とインプラントに対するニーズが高まっています。SIGNでは、こうした継続的なニーズに対応するだけでなく、より優れた治療を提供するために、Mimics Innovation Suiteを活用しながら新たなソリューションの開発や既存ソリューションの改善といった技術革新を推進しています。SIGNの取り組みの成功例と、世界の貧困層の骨折治療を支援する方法については、SIGNのウェブサイト(www.signfracturecare.org)をご覧ください。

※このお客様事例は、Materialise Mimics for Research及びMaterialise 3-matic for Researchを対象とします

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