Liesbeth Kemel 4月 6, 2016

先天性脊柱後側弯症を患い、生まれつき曲がった脊椎を持って生まれて来たイギリス、ウェールズ出身の8歳の女の子。彼女の治療を担当したアルダー・ヘイ子ども病院の脊椎専門外科チームは患者のCTスキャンをもとに脊椎模型を3Dプリントし、治療計画策定に役立てました。

3D-printed spine model to prepare for kyphoscoliosis surgery
Courtesy of Alder Hey Children's Hospital

カスタム脊椎モデルの3Dプリント

脊椎側弯症手術を成功させるには、複雑に湾曲した脊椎の構造を深く理解しておくことが欠かせません。患者の脊椎を実寸大の模型として視覚化するため、アルダー・ヘイ子ども病院の脊椎専門外科チームはマテリアライズとの共同作業で患者のCTスキャンを3Dプリント可能な立体モデルへと変換しました。

その後CTスキャン画像をもとに作られた3Dデータはアルダー・ヘイ子ども病院内の3Dプリント施設「3D LifePrints」へ送られ、プラスチックで造形されました。

同病院は、イギリス内で初めて3Dプリントの本格活用を開始した小児病院のひとつ。整形外科だけでなく、心臓外科、頭蓋顎顔面科、放射線科でも医療3Dプリントを用いています。患者の生体構造をリアルな模型として「見える化」する3Dプリントは、医師間のコミュニケーション、医師から患者への治療方針の説明、教育目的でも用いられています。


ヘルスケア技術に革新をもたらす共同研究センター

アルダー・ヘイ子ども病院とリバプール大学は2016年3月、共同で研究、教育、技術革新のためのセンターを立ち上げました。「アルダー・ヘイ・インザパーク」と名付けられたこの施設は、テクノロジーを通じて外科手術の成果、さらには医療業界全体の改善を目指したイノベーションハブです。このセンターでは現在、未来の医療に技術革新をもたらすかもしれないプロジェクトが数多く進行中。医療3Dプリントの研究ももちろん活発に行われています。