Stephanie Benoit 6月 21, 2016

子供なら誰でも飛び跳ねたり、走り回るのが大好きなもの。しかし11歳の女の子アマラチ・オースティン・オコーにとっては、歩くのも一苦労でした。彼女が患っていたのは、脚の骨が正常に成長しない「ブロント病」と呼ばれる病。アマラチの治療を担当したメイヨー・クリニックのチームは彼女の脚の骨を正確に3Dモデル化し、骨切り治療の計画策定に役立てました。

 

 

アマラチが抱えていたブロント病は、脛骨が正常に成長せず、足が弓形になってしまう病気。彼女が2歳の段階で家族はすでに症状に気づいており、一家の故郷ナイジェリアで何度か外科手術を受けていました。それでも彼女の足の状態は悪化の一途をたどり、歩くだけで痛みが伴うほどに。この時を振り返ってアマラチは「すごく痛くて、大変だった。人が遠くに行っちゃっても、どんどん辛くなるから、ゆっくりゆっくり歩いていたの」と語っています。それでも治療を諦めなかったアマラチと彼女の家族はナイジェリアを離れ、米ミネソタ州のメイヨー・クリニックに未来を託すことに。

メイヨー・クリニックの骨延長・再生治療科のドクターらは、アマラチの治療のために院内の他部署とチームを組むことを決定します。まずは院内の中央3Dプリントラボの協力を得、スキャンデータをもとにアマラチの骨を3Dモデルとして再現。その3Dモデルを実際に造形し、アマラチの生体構造に忠実なカスタム骨模型を3Dプリントしました。

3D-printed models of a case of Blount's Disease
Courtesy of Mayo Clinic

アマラチの担当医トッド・ミルブラント医師は3Dプリントしたこのカスタム骨模型を手術計画に活用。骨をまっすぐに再成長させるため、脛骨のどの部分に切り込みを入れるか、3Dプリンタ製骨模型を用いて綿密なシミュレーションが行われました。手術時はあらかじめ準備していた手順を明確にイメージし、アマラチの両膝下にメスを入れました。

外科手術後、アマラチは3ヵ月にわたって脚に矯正器具を装着。コンピュータ計算に基づいて少しずつ微調整できるこの矯正器具は、手術後一部に切込みの入ったアマラチの骨を固定し、骨をまっすぐに再成長させる役割を担います。

外科手術と矯正器具による治療の結果は、まさにアマラチと彼女の家族が望んでいたものでした。アマラチの身長は手術前と比べ25㎝も伸び、今ではまっすぐな脚で痛みを感じることなく歩いています。アマラチは「新しい世界が開けて、とてもワクワクしている。やりたいことはもう何でもできるんだから!」と術後に語っていました。

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