Yui Takahara 3月 5, 2015

「ウェアラブル」という言葉、最近日本でもよく耳にするようになってきました。「着用できる」といった意味のこの言葉は、腕時計やメガネのように身につけられる形態となった非常に小さなデジタルデバイスの事を差します。テクノロジーとファッションを融合させるスタイルで有名なオランダのデザイナー、アヌック・ウィップレヒトが今回デザインした「スパイダードレス2.0」もそんなウェアラブル技術の典型。超小型コンピュータ「インテル・エジソン」が埋め込まれたスマートドレスなのです。複雑な形状をしたこのドレス製作の裏にも、マテリアライズの3Dプリント技術と3Dプリント用ソフトウェアMagicsの存在がありました。

 

 

スパイダードレスの最大の特徴は、ドレスに一体化した小型コンピュータがドレスを着用した人の心拍、脳波、脈拍、呼吸などの生体信号を読み取る事。ドレスに埋め込まれたインテル社のSDカードサイズのコンピュータ「インテル・エジソン」がセンサーの原動力となっています。

 

クモの足のように自在に動くロボットアーム。

クモの足のように自在に動くロボットアーム。Anouk Wipprecht x Philip H. Wilck

 

更にドレス着用者が「誰かが不快なまでに自分に近づいている」と感じて呼吸のリズムが早くなったりすると、ドレスに付いたロボットアームがまるでクモが威嚇するように動き出す仕組み。誰かが急に素早い動きで近づいてきたりした場合もクモの足が動き、ドレス着用者を守る動作をします。着用者がリラックスした状態にある時はドレスとクモの足が一体化してソフトな印象に。

 

着用者がリラックスしている状態。

着用者がリラックスしている状態。Anouk Wipprecht x Philip H. Wilck

 

このドレスをフィリップ・H・ウィルックと共にデザインしたアヌック・ウィップレヒト。完成したデザインはマテリアライズが粉末焼結法で3Dプリントして仕上げました。背骨のような構造が特徴的なこのドレスは、3Dプリントだからこそ実現できるものの典型とも呼べます。 更にこの複雑なデザインを3Dプリント用に最適化する工程では、マテリアライズの3Dプリント用ソフトMagicsが使用されました。3Dデータに空いてしまった穴を埋める、バッドエッジを修復する、ファイルに水密性を持たせるなどデータを3Dプリント用に最適化し、造形の質を最大限に高められるのがMagicsの強み。アヌックもこんなコメントを残しています。

 

Magics で3Dプリント前に最適化されるスパイダードレスの3Dファイル。

Magics で3Dプリント前に最適化されるスパイダードレスの3Dファイル。

 

「今回はMagicsのエラー発見と修復機能にとても助けられたわ。ある意味全ての3DモデリングソフトにMagicsを組み込むべきだと思う。3Dプリント前の最終チェックをするためにね。モデリング中にはわかりにくいエラーもMagicsに任せればすぐに取り除けてしまうから、クリエイターと3Dプリントを担当するパートナーのやりとりをとても簡単にしてくれる。おかげで時間もかなり省けたわ。」

 

マテリアライズによって3Dプリントされたスパイダードレス。

マテリアライズによって3Dプリントされたスパイダードレス。Anouk Wipprecht x Philip H. Wilck

 

アヌックは他にもマテリアライズとコラボレーションし、最新技術を取り入れたドレスを数多く生み出しています。シナプス・ドレススモーク・ドレスシルク・ド・ソレイユの衣装などがその代表。この春ブリュッセルで開催されるマテリアライズ・ワールド・カンファレンス(国際会議)ではアヌックが基調講演者として登壇します。日本から参加をご希望の方は、小林(製造業関係者の方)または渡辺(医療関係者の方)までお気軽にお問い合わせください。

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