携帯電話メーカーとして初めて、誰でもカスタムケースが3DプリントできるようNokia Lumia 820の図面を公開したノキア。マテリアライズのオンライン3Dプリントサービス i.materialise チームもこの図面をダウンロードし、早速ケースを3Dプリントすることに。

残念なことにこのチームはすぐに、ノキアが公開したデザインがまだ3Dプリント用に最適化されていないことに気が付きました。うまく機能しないのです。しかしながら、ノキアが正しい方向に重要な一歩を進めたことに間違いはなく、i.materialiseのチームはなんとか実際に機能するカバーの設計を進めることでノキアの構想の手助けをしたいと思い立ちました。このチームは、マテリアライズ社の技術者と協力したのですが、この技術者たちはすでに3Dプリントに向けた製品の最適化をメーカーと一緒に進めている専門部隊なのです。

 

ノキアのデザインをマテリアライズ社でテストする

i.materialiseのチームはマテリアライズの本社にある3Dプリントのさまざまな技術や材料を用いてノキアのカバーのデザインを実際にテスト造形して見せました。それで、ノキアのもともとのデザインの長所と短所をはっきりと知ることができたのです。最初の結果はちょっと残念でした。このチームがカバーシェルを一体物として造形したところ、ちゃんとボタンを押すことができなかったのです。そこで、ボタン部分を別々に造形してみたのですが、今度はボタンがカバーシェルに収まりませんでした。最後にカバーを削ったりはめ込んだりしたところ、印刷物はほとんど壊れてしまいました。このテストの最初の何日かの記録は、i.materialiseの部ログのここここで紹介されています。すべてのテストが終わってはっきりしたことは、カバーを3D印刷できるようにするためにはA) 携帯電話の本体にカバーが壊れずに取り付けたり取り外したりでき、B) ボタンがちゃんと働くように、再度設計をしなおさなければならないということでした。

Nokia Lumia 820 covers printed in a wide variety of 3D Printing technologies and materials present at Materialise’s headquarters, unfortunately none were functional.

マテリアライズの本社でさまざまな技術と材料を用いて造形されたNokia Lumia 820用カバー。残念なことにどれ一つとして機能しませんでした。

 

技術サービス陣が同社の’Magics’をNokia Lumia 820のカバーに適用

マテリアライズ社技術サービス陣のDriesが、3-maticソフトを用いてどのようにデザインを修正したかを見せてくれた

マテリアライズ社技術サービス陣のDriesが、お客さんが家庭で、またオンラインサービスを通じてうまく3DプリントできるNokia Lumia 820用カバーを、どのように作り上げたかを説明してくれました。「まず樹脂を用いた印刷に取り組みました。これはステレオリソグラフィー (光造形)と呼ばれる技術です。最初に、必要なデザインが得られるように3-maticというソフトウェアを用いてSTL fileを直接いじりました。たとえば、カバーシェルを間単に2つに分割するとか、外側のシェルの厚さを0.9mmから2mmに厚くするなどです。樹脂のデザインに関しては、ボタン周りの許容誤差を変えてもう少し空間が取れるようにしました。ボタンは別々に印刷することになったのですが、透明樹脂を用いたので使いやすく、見た目もよくなりました!」

Fully functional, customized cover for the Nokia Lumia 820, designed by i.materialise

Dries, from Materialise’s Engineering Services Team, shows how he has adapted the design using 3-matic

Optimized design for stereolithography technology results in a functional, good-looking design

光造形の技術を用いてデザインを最適化し、機能的で見た目もよくなった

「ポリアミドを用いた、レーザーシンタリングと呼ばれる設計法方法では、3-maticをボタンの部分の再設計に用いて機能するようにしました。ここでも、カバーを厚くしました。それからファイルを弊社の Magicsにアップロードしてエラーを修正し印刷可能かどうかチェックして、デザインをプリンターに送れる状態にしたのです。」

Optimized design for Laser Sintering technology includes buttons with built-in functionality

レーザーシンタリング技術を用いたデザインの最適化ではボタンの組み込み機能も実現

「 FDM (熱溶解積層) という技術でABS樹脂用にカバーを再設計したときには、この場合も厚さを増しボタンに機能を付け加えましたが、また角に丸みを与えより滑らかにして、持ったときの感じを良くしました。Magicsを用いてカバーを印刷する最良の向きを定め、見た目がよいばかりでなく、ボタン類を傷めずに部品を装置からたやすく取り外せるようにしました。」

FDM技術に向けたデザインの最適化、滑らかできれいで簡単な印刷

こうしてNokia Lumia 820のカバーは十分な機能を備えて3D印刷できるようになりました。3D印刷のそれぞれの技術から最善の部分を揃えた専門の技術陣のおかげです。この結果を世に問うときがきました。ノキアもLumia 820のカバーのデザイン図面を一般の皆さんにお届けできることを嬉しく思っているようですが、i.materialiseも、自分だけのカバーを作って見たいとお考えの皆さんにそれをうまく作っていただけるのを見届けたいと願っています。

 

あなただけのNokia Lumia 820カバーの印刷に興味がありますか?

i.materialiseはスムーズで機能的なNokia Lumia 820カバーのデザインを、皆さんがダウンロードして楽しんでいただけるよう、Thingiverse社のサイトに置きました。このファイルをダウンロードされたなら、どうぞお気軽に、カバーにあなたの思うままのタッチを加えて文字通りあなただけのものを作ってみてください。それができたら、ご家庭で3D印刷されてもよいしi.materialiseなどのサービスへお送りいただいてもいいでしょう。材質も仕上げもさまざまな方法の中からお選びいただけて、デザインが実現できるのです。もしなにかヒラメキをお探しなら、i.materialiseが用意しました個別デザインの例をご覧になることができます。念入りに用意されたベーシックなデザインを一ひねりして質感や文字や装飾を付け加えて仕上がりを工夫するだけで、本当に見ごたえのある素敵な携帯電話に出来上がります。

Optimized design for FDM technology which is smooth, clean, and easy to print

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